暴風警報の朝である。
台風10号がノンビリ進んでくれたおかげで、当団の夏キャンプは当初の予定通りで実施し、無事に終えることが出来た。
その詳細は日を改めて。まずはレンタルしたデジタル簡易無線の使用感を少々。
今回のフィールドは携帯各社の電波が微妙な環境で、特にauは完全に圏外。docomoが比較的安定しており、Softbankは場所によりけり。
プログラムによっては全社圏外になる箇所があったことと、その移動範囲も2km以上と結構広い。我がカブ隊2つの組が別々に動くことも鑑み、連絡手段は自ずと絞り込まれてきた。
と言うことで、私と副長2人に予備も含め計4台を調達。
出力を最大にすれば5kmは届く機材である。
レンタル屋さんのご厚意で念のためロングアンテナもオマケでつけてくれた。実際の運用でロングアンテナが必要な程ではなかったが、せっかくなので使ってみたけどね。
各組へデンリーダーと共に副長もついてもらい、私は緊急時に備え隊のベースに残った。本当はスカウトたち姿を間近に見つつプログラムを楽しみたかったが、諸々の対応を考えると仕方がない。
そしてプログラムスタート。
逐次各組の状況と現在地を送ってもらう。
うん。下見と打合せの成果もあり、2つの組の状況がよく分かる。最大2km離れたポイントとの交信も非常にクリアだ。
これまで使っていた特小無線とは全く異なる飛距離と安定感。分かっちゃいたけど、やっぱりイイね。
機材本体は特小と変わらないコンパクトさで扱いやすく、バッテリーの持ちも申し分ない。2泊3日、それなりに交信を繰り返したが、バッテリー残量の目盛りはひとつ減っただけ。
さすがデジタル機材だなと実感した次第。
お盆期間中と言うこともあり、懸念材料だった近くの工事現場からの混信も無し。
スカウトたちもトランシーバーは知っていたようで、僅かに「カッコイイ」との言葉があったらしい。
たかがカブスカウトの活動で、ここまで道具を使う必要があるのか否か。
だが、山間とは言え日中は30℃を越える昨今。気づかぬ間に頼りきっていた携帯電話が使えない場所で、2つの組が別々に行動するコトを思うと、確実な連絡手段は絶対必要である。
予備の機材を野営本部に渡すことも考えたが、何かあった際の詳細な場所をスグに分かってもらえるとは限らない。そのため、活動ルートを知っている私が残り、「その時」は本部から同行する手はずをとったのである。
勿論、そのような事態に陥ることもなく、安全無事にメインのプログラムは完了し、スカウトたちも存分に楽しむことが出来た。
その後もサイトを離れる際は携行することで、必要に応じて組ごとの別行動を不安なく展開できたのである。
こうなると、今後も積極的にこの機材を使いたくなる訳だが、さすがに購入には踏み切れない。
今回の実績で見れば、無理をして購入しなくとも、レスポンス良く対応してくれたレンタル屋を活用したほうが、効率的でお得かな、と感じている。
何しろ4台を都合4日間かりても、1台購入するよりも安いのだから。
普段の隊集会なら携帯電話で連絡が取れるため、やはり広大な野外へ出かける時がその考え時となるかな。
少し大げさなくらいの準備をしたほうが、安心感も大きいのだと実感した次第である。
デジ簡、楽しい道具だったよ。