先のハードケースに続いて、である。
さてコレは何ぞや?
いやそんな勿体ぶるモノではない。
指示棒、或いは指し棒である。
トレーニングに係わるお役目をいただいて数年。
皆様の前でアレヤコレヤをお伝えする際、スクリーンやホワイトボードを示すコトがソレナリにあるのだが、その時に使う棒がこれまで案外シックリこなかったのだ。
胸にさせるペンサイズのモノでは全く用をなさず、コクヨの大振りなモノも先端が思ったより小さくイマイチ。
こういった市販のモノは黒板を示すには良いのだが、昨今の白背景が主体の提示物だと見づらい。
ちなみにレーザーポインターは使いこなすのにスキルが必要だし、ポイントがチラチラして個人的にも好みではない。
そんな中、使い勝手と視認性でイイナと感じたのが、とある会場の備品だった「ただの棒」。
工作材料として売られている木の丸棒の軸は白く、先端部は蛍光オレンジに塗られただけのモノ。
他の方のセッションを見ていても、ソレナリに存在感を示し、指している先がよく分かる。
コレなら簡単に作れるな、と思ったのだが、持ち運びには長過ぎて適さない。
そんなコトを思い続けてしばし…。
ある時テレビで気象情報の解説を見ていたら、棒の先端が玉になっているアイテムが目に止まった。
コレだ。
先端の存在感が大切なのだと気づいた次第。
思い返せば先の棒も軸の白さはどーでも良く、先端部の太さが市販の指示棒より太かったからよく見えたのではないか。
ココまで来ればあとは材料を探すのみ。
とは言え、実際には先端に据える「玉」を手に入れるまで3年ほどかかっている。
理由はシンプルで、100均に無かったから。
黄色のスポンジ玉ならあったのだが、オレンジのソレがナカナカ見つけられなかった。
白背景に対して云々と考えると、オレンジかピンクの方がより見やすいだろうと想定していたのである。
で、昨年の秋にようやく適当と思えるスポンジ玉のセットを発見&購入。
伸縮の棒は既に入手済みだった自撮り棒である。
以来、休日のゴタゴタが続き着手出来なかったが、ようやく取り掛かれたのが先週末、という次第だ。
作業は大したことない。
自撮り棒の先端パーツを外し、パイプの内径を確認。
ストックしていた木の棒から手頃な太さのモノをチョイス&パイプに差し込めるよう径を調整し、玉との兼ね合いも含めて長さを整える。
革用ポンチでスポンジ玉に穴をあけたら、あとは合体!
取りかかってしまえばアッという間に出来上がり。
さあ、コレで近々予定されている講習会は気持ちよくセッションが展開できるぞ…と、意気込んでいたら、昨今の状況により延期と相成ったのである。
と言う訳で、永らく頭の中でアレコレ考え続け、ようやく完成した指示棒だが、活躍の場は暫しのお預け。
その時までは我が家のデスクで時折伸ばしたり振り回したりしてイメトレを続けるしかない。
こういった工作モノは、アーダコーダと考えている時が最も楽しく、充実した時間を過ごせている。
次なるアイテムを求め、自らの周辺に「不便はないか」と探し始めるのであった。