活動の「ねらい」を考える③
ひとまず完結編である。
集会のネタ(アクティビティ)から「ねらい」を探るのは、いうなれば王道というかアルアルと言うか、だ。
一方、慌ただしく年プロを組み立てる際には、どうしても様々な偏り生じる場合もある。
そんな時は別のアプローチも試してみるのはいかがだろう。
それは「ねらい」からアクティビティを見出す手法だ。
例えば、ビーバーたちに改めて「仲良し」の大切さを感じさせたいと思ったとする。
定めるねらいとしては「仲間と仲良くする大切さを感じさせる」てな感じ。
さて、仲良くするコトを体験できるアクティビティは何か。
隊のスカウト全員を一度に、というのはいささか無理があるので、ココは2人か3人でできることを探す。
パズルや絵合わせのようなカードを用意して、仲間を探すようなゲームが考えられる。
または、イニシアティブゲームにヒントを得るのも良いかな。
私が時々行ったのはレジャーシートの周りを数名で持ち、シートの中央にボールを乗せ、皆でタイミングを合わせてボールを飛び上がらせるというゲーム。
シートを持つ全員の声なり息なりが揃わないと、なかなかボールは真上に上がってくれない。
「我先に」が常のビーバーたちにとって、互いの様子を見ながらタイミングを合わせることは案外難しいのだが、コツさえ理解すればスムーズにできるようになる。
別パターンを考える。
「人の役に立つ」というねらい考えたとしよう。
このママだと(分かりやすいけど)かなり広範囲な表現であり、漠然としすぎている。
もう少し絞り込んで「身近な場所の清掃を通じて地域の役に立つことを経験する」だとどうか。
これなら普段の集会場所起点に、その周囲のゴミ拾いをするアクティビティが思い浮かぶ。
単にゴミを拾うだけでは、ビーバーたちも飽きてしまうかも知れない。ならばコレもゲーム化してみよう。
各自が持つゴミ袋は小さな物にし、誰が一番早く満タンに、或いは一番重くできるか。
はたまた、スカウトごとに可燃・不燃など分別した担当にし、見つけたゴミがどれに該当するかを考えさせることもできそうではないか。
そしてゴミ拾いを終えれば、周辺の環境が良くなり道行く人たちも気持ちが良いよね、と伝えればよいし、自分たちも道端へゴミを捨てたりしないよね、と確認できるだろう。
この「ねらい」からのアプローチは実修所で取組む手法ではあるが、年プロにおいてプログラムのバランスを修正するのに必須となる考え方である。
そしてこのようなアイデアの広げ方は、やはり普段から練習しておくことが必要だし、そのためには情報収集(ネタの仕込み)も必要となる。
ナンダカメンドクセーナー…となりそうではあるが、難しく考えず、日々の活動の中でも「コレを次回やる時は別のねらいでイケるかな?」と思うだけでも十分。
隊長ひとりで悩むのではなく、周りの方々にもアイデアをもらいつつ、有意義な年プロを組み立てていただきたいと願う。
最初から完璧な年プロなど、誰も作れない。
大変ではあるが、繰り返しチャレンジしていただきたい。
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