2010年05月03日
よくある話

そんな中で訪れた、とあるキャンプ場にて。
山道を下った先に滝があり、ボーイスカウトならお勧めの散策コースだと管理人さんが言う。
普通の人ならば大体1.5時間くらいで往復できるらしい。ただ、シーズン前で道の整備が不十分だから、今から見るならばガイドをしてくれるとのこと。
環境面、費用面ともかなりの好条件だったこと、周辺の状況ももう少し知りたかったこと、時間にそれなりの余裕があったことなどからガイドツアーをお願いすることになった。
それじゃあチョット支度します、と管理人さんが一瞬事務所の奥に消えた。
そしてほどなく現れた管理人さんの足元は、やけにゴツい長靴の上にしっかりした布地のスパッツ。手には艶やかに研がれた鎌。
我々一同、ただならぬ空気を感じた。
脚に自信の無い団委員さんはその場で辞退され、残ったのは私を含めて3名だけ。
別に私とて自信があるわけではないが、やはり見ておきたかったので…。でも、いやーな不安感がこの段階から漂っていた。
サイトの端にある小さな案内看板の示す道に降りた瞬間から後悔した。
これは散策路や遊歩道ではない。山道ともいいがたい。
「獣道」と呼ぶにふさわしい状態だ。
しかも管理人さんは急な下りを滑るかのようにスイスイと先に行く。恐るべき健脚である。
我々は転びそうになるのを必死で堪えながらと言う状態。
結局、下りに50分、上り(戻り)には1時間以上かかった。
しかも3名ともバテバテである。
少しは山歩きの経験があると高をくくっていたが、そんなのはどっかへ吹き飛んだ。
未整備の山道(獣道)を人のペースで歩くことの辛さをこの年になって経験したのだった。
聞けば管理人さん、御歳七十にして地元の猟友会に所属しておられる。
猪を追って、山を二つ三つ超すことはザラだそうだ。
山村で道を聞くと「そこならスグだから」と言われる。
そして実際には(私の感覚では)言われたほど「スグ」ではないことがままある。
今回も管理人さんの感覚がいう「普通の人」が猟友会の皆さんだったとしたら、我々とは山中での移動経験が全く違う。
当初教えられた時間の尺度も、管理人さんスケールだったとすれば納得できる。
色々とゴタクを並べてみたが、早い話が「知らない山に入る時は油断するな」であり、それこそが「そなえよつねに」なのだと身をもって再認した次第。
靴はそれなりだったが、体力の備えが全くなっていなかった。
連休の残りは筋肉痛と共に過ごすことになるだろう。
Posted by blue_serow at 18:52│Comments(3)
│Scouting
この記事へのコメント
タイトル読んで内容で笑いました。
小学生の頃『狩猟』や『野生ラン採取』される『おじさん達』に、抜け道案内しながら付いて行きましたから、その感覚で『ボーイスカウト』の人も楽勝だろうと私も思ってました。
入団して余りの違いに驚きっぱなしでしたねぇ…
世間のイメージは真逆かも知れませんね。
小学生の頃『狩猟』や『野生ラン採取』される『おじさん達』に、抜け道案内しながら付いて行きましたから、その感覚で『ボーイスカウト』の人も楽勝だろうと私も思ってました。
入団して余りの違いに驚きっぱなしでしたねぇ…
世間のイメージは真逆かも知れませんね。
Posted by ちずやん at 2010年05月04日 21:47
追記
この記事に登場する『おじさん』の格好。 私も実家での裏山散策は同じ格好です(*^_^*)
鎌、年に数回しか使いませんが、現在の自宅にも常備。
旦那には使わせません。
この記事に登場する『おじさん』の格好。 私も実家での裏山散策は同じ格好です(*^_^*)
鎌、年に数回しか使いませんが、現在の自宅にも常備。
旦那には使わせません。
Posted by ちずやん at 2010年05月04日 21:57
>ちずやんさま
正にこの業界は「アウトドアの達人」みたいなイメージがあります。
昔はまだ近かったかも知れませんが、今はせいぜい「体験アリ」程度のことではないでしょうか。
しかも生活の中で山を歩き回る人たちには到底ついていけません。
>私も実家での裏山散策は同じ格好です
やはり足元はしっかりかためておかないと、ですね。
正にこの業界は「アウトドアの達人」みたいなイメージがあります。
昔はまだ近かったかも知れませんが、今はせいぜい「体験アリ」程度のことではないでしょうか。
しかも生活の中で山を歩き回る人たちには到底ついていけません。
>私も実家での裏山散策は同じ格好です
やはり足元はしっかりかためておかないと、ですね。
Posted by blue_serow
at 2010年05月07日 16:31
